みんなで参加!ストップ温暖化 〜大変!?京都議定書の約束期間がスタートして〜

CONTENTS
京都議定書って?いま、何が問題なの??
とりくみをみてみよう!
家庭でできる、エコ生活


第一章.京都議定書って?いま、何が問題なの??

“環境問題”と一口にいっても、酸性雨、環境汚染、ごみの増加・・・などさまざま。そんな中、今、環境問題といって真っ先に浮かぶのが「地球温暖化」。なぜ、今地球温暖化かというと、あの「京都議定書」の約束期間がスタートし、世界中が注目しているから。1章では、そもそも「京都議定書って何?」といった素朴な疑問から、国際的な取り組みまで調べました。

そもそも、温暖化って?
温暖化とは「地球表面の大気や海洋の平均温度が上昇する現象」で、海面上昇や生態系の変化、ハリケーンの強大化、はたまた感染症の増加など二次的な問題まで含めて言われることも。その原因は、二酸化炭素(CO2)など“温室効果ガス”と呼ばれるものが急激に増えてしまったから。今、この温室効果ガスをいかに減らしていくかが、世界的な課題になっています。
京都議定書って何?国際的にどんな取りくみがあるの??
この話題を取り上げるにあたり避けて通れないキーワードが「京都議定書」。誰もが聞いたことがありますよね。京都議定書は、1997年12月に京都で開催された「気候変動枠組条約第三回締約国会議(COP3)」で採択されもので、先進国全体で「2008〜12年に温室効果ガスの排出を1990年比で5.2%減らすこと」が義務付けられました。ちなみに、EU8%、アメリカ7%、そして日本6%と国ごとに目標が設定されています。

出典:環境庁(UNFCCCのデータに基づく)
世界各国の二酸化炭素排出量(2002年)  
ちなみに世界で87ヶ国が署名していますが、最大排出国のアメリカが不参加なことや、2位中国・5位インドは“途上国”として削減対象外なことなど、その有効性を疑問視する声も。
出典:環境省
(財)日本エネルギー経済研究所のデータに基づく
 
・ 発展途上国は削減目標がないみたいだけど・・・?
温暖化は先進国の経済発展が理由…というわけで、途上国には削減義務がありません。とはいえ、中国やインドの経済発展はめざましく、削減義務がないことに疑問が上がっているのも事実。先日バンコクで開催された国際会議では、2013年以降の「第2約束期間」について、途上国やアメリカにも目標を課すよう交渉されましたし、今後の動きに注目です。
・今、出足はうまくいっているの?どんな問題があるの?
京都議定書の約束期間はこの4月に始まったばかりですが、既にカナダでは大幅にCO2排出量が増加しており、このままでは目標を放棄するのでは…との見方も出ているとか。
では、わが国日本はどうかというと、何やら雲行きが悪そう。というのも、「6%削減」どころかCO2は増える一方だから。
【日本は6%削減できる??削減どころか、こんなに増えてる!】
06年度の温室効果ガス排出量(CO2換算)は90年比6.4%増の13億4100万トン!!
工場などからの排出量は減少傾向にあるものの、オフィスなど業務部門41.7%増 家庭部門30.4%増に。特に乗用車からの排出量増加が大きくなっています。

出典:環境省・経済産業省
現在の排出量から90年比6%削減を実現するには、実質「14%」も減らさなければいけない、ということがわかります。省エネ対策強化だけでなく、あとに紹介する“海外からの排出枠購入”などで対応しなくてはならないのが現状です。
国が取り組んでいる対策ってどんなものがあるの?
日本に与えられた「90年比6%削減」。これを達成するために、国内のいろいろな機関が対策に取り組んでいます。
・経済産業省によるとりくみ
 経産省では、家庭に先駆けて取り組むことで社会全体の環境対策をけん引しようと、自らの事業内排出量を「06年度比で2010年〜12年までで平均21%削減する」ことを目標としています。具体的には、電気やコピー用紙の使用量、廃棄物削減などいろいろな目標が掲げられていて、例えば「公用車の燃料使用を01年比で2010年〜12までに平均85%以下にする」など、かなり厳しい目標も設定されています。
電気自動車やプラグインハイブリッド車などの低公害自動車やバイオ燃料の普及などが期待される一方、エコ運転やエレベーター運転の制御、お昼休みの消灯、トイレへの流水音発生器の設置…などなど、私たちも実践できる対策方法もあるので、「経産省なんて硬いのはちょっと…」と思わず一度チェックしてみてはいかがでしょう?
・環境省のとりくみ 「チーム・マイナス6%」
電気やガス、ガソリンなどのCO2を排出するエネルギーに課税して、排出量に応じた負担をしよう、というのが「環境税」。環境省では2004年に「環境税の具体案」を作成・公表しています。日本ではまだまだ認知度も低いですが、イギリスやデンマークなど欧州では、この環境税が環境対策の一つとして導入されています。
この他、京都議定書の目標を達成するための国民的プロジェクトとして2005年4月に始まったのが「チーム・マイナス6%」。チームへの登録、交流、情報提供の場としてホームページが開設されていて、「温度調節で減らそう」、「水道の使い方で減らそう」、「商品の選び方で減らそう」、「自動車の使い方で減らそう」、「買い物とゴミで減らそう」、「電気の使い方で減らそう」といった6つのアクションが提案されています。ちなみに、2006年2月末時点で、約185,000人が参加しています。
・林野庁のとりくみ
排出量削減のリストの中で最も高いウェイトを占めるのが、森林によるCO2吸収。
日本は国土の2/3が森林という、森林大国。でも実際は、間伐(適切に伐採、手入れすること)がされてない森林が多いんです。実は、これらの森林はCO2を吸収しても実績にカウントされません。だから、林野庁は間伐を07年から6年間に330万ha実施して整備することでCO2吸収源を確保しようと試みています。(ちなみに、330万haは日本の総森林面積の13.3%で、東京都の面積の約15倍)
スタッフに聞いた「だから安心!」その理由
環境対策っていうと、太陽光発電など大きな資材を投入する際に莫大なコストがかかるもの。でも、企業も利益を追うだけでなくて社会への貢献という責任から、いろんな取り組みがされています。例えば、ある大型スーパでは新店舗全てにCO2の排出削減に向けた太陽光発電システムを導入する他、省エネにつながるLED(発光ダイオード)の看板照明を設置したり、店舗で出る廃油を再利用したバイオディーゼル車の拡充や専用給油ステーションの整備計画も進めているようです。

他にも企業での取り組みはいろいろありますが、大きな事例のほかにも、例えば「クールビズ・ウォームビズ」なんてものも立派な対策。オフィスでの温室効果ガスが増えているという背景もある中、空調を控えることも重要な対策です。「たかが1℃」と思うかもしれませんが、使い続ければその1℃が大きな効果となって出てきます。こういった地道な取り組みが、企業でも求められています。


私たちの生活が豊かになる一方で温暖化が進んでいる…というのは誰もが知っていることですが、豊かな生活の代償にどの位温暖化が進んでいて、どんな対策が計画されているかはよく知らないという方もいるのではないでしょうか?今、世界全体で「5.2%削減」という目標に向かって、国際・国・企業レベルでそれぞれ取り組んでいく必要がありますが、実際にどんなことが試みられているんでしょうか?2章では、具体的な取り組みについて取り上げてみたいと思います。

 

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