<今回のテーマ> “カーボンオフセット” を考えるまえに・・・
エコに省エネにロハス…と、いろんな“環境キーワード”がありますが、環境問題を取り上げる時に避けられないのが「京都議定書」。先進国全体で「2008〜12年に温室効果ガスの排出を1990年比で5.2%減らす」ために、EU8%、カナダ6%、そして日本6%など国ごとに目標を設定し、各国が温室効果ガスの削減にとりくんでいます。
でも、私たちが暮らしの中で必要とするエネルギーの多くは化石燃料を燃やすことで得ていて、温室効果ガスの排出量は減るどころかむしろ増えているのが現実。
そんななか注目されてきたのが、今回のテーマ “カーボンオフセット”という新しい考え方です。(※「京都議定書」は、1997年12月に京都で開催された「気候変動枠組条約第三回締約国会議(COP3)」で採択されもの)
私たちの生活で必ず出る温室効果ガス。これを減らすために、冷暖房を適切な温度に設定したり省エネ家電を使ったりといろんな工夫をしていますよね。勿論、自分にできる努力をすることは大切ですが、一人でできることには限りがあります。
そこで出てきたのが
省エネなどの努力をしてもどうしても減らせない温暖化ガスを、途上国など別の場所・別の人が行う「温室効果ガス削減事業」に資金を出すことで差し引きゼロにする「カーボンオフセット」という考え方です。
企業だけでなく、私たち消費者もカーボンオフセット付きの商品・サービスを購入することで参加できます。
カーボンオフセットのしくみ
カーボンオフセットとならんで、エコに関するおさえておきたいキーワードがこちら。
【排出権取引】
温室効果ガスの排出量削減のための経済的手法のひとつ。(下表参照)
まず、1)国や自治体、企業などの間で排出する権利(排出枠割当量=排出権)を決め、2)排出権を超えて排出したところ(A国)と、排出枠を下回る排出量のところ(B国)の間で 3)権利の売買をして全体の排出量をコントロールする というしくみが「排出権取引(制度)」。ちなみに、CO2などの温室効果ガスだけでなく、廃棄物の埋め立てに関する排出権もあります。

【クリーン開発メカニズム(CDM)】
先進国が途上国に技術や資金を提供して、温室効果ガスを
削減した場合、その削減量を自国の削減数値に当てることができるしくみ。(Clean Development Mechanism)
【グリーン電力証書】
風力や太陽光、バイオマスなどの自然エネルギーで発電された電力には、従来のエネルギー(化石燃料など)と比べ地球環境への負荷が少ないという「エコ価値」があります。この価値を、証書化して企業などの間で取引できるようにしたもの。
【エコポイント】
環境対策に貢献している商品・サービスを購入したり、特定のエコ活動などをしたりするとポイントがもらえ、温暖化対策型商品や温暖化対策事業への寄付などの商品と交換できる制度のこと。“ポイント”というと、お買い物をして付くポイントのようで、なじみがありますし、“これだけ頑張った”という形が見えるのでやりがいがありますね。
【カーボンフットプリント】
一つの商品について、製造・加工から提供されて廃棄されるまでに排出する温室効果ガスの総量を商品パッケージなどに表示すること。商品が温暖化にどの程度影響を与えているかの基準になります。
ちなみに、2008年6月に福田前首相が講演の中でカーボンフットプリントの制度化を表明したことから、CO2排出量の算定方法や表示・評価に関するルールが検討されていて、今年12月の「エコプロダクツ2008」では約30社がカーボンフットプリントをつけたサンプル商品を出品する予定なのだとか。
【エコリーフ環境ラベル】
ISO(国際化標準機構)が規定している、商品を作るところから廃棄されるまでに環境に与える影響を分析して示すラベルのこと。国内でもセイコーエプソンやキャノン、パナソニックコミュニケーションズ、シャープなどなど、いろんな会社がプリンターやデジカメ、FAXにパソコン機器などエコリーフ付きの商品を売り出しています。
「排出権取引」のしくみを利用して「カーボンオフセット」されるわけですが、どういう流れで排出権が認証され、商品として私たちのところにまでくるのかというと・・・、
私たち個人では直接排出権を購入することができないので、企業からカーボンオフセット付きの商品を購入するなど、オフセットプログラムに参加します。そうして、参加企業が植林やクリーンエネルギー開発などを行うことで、個人の生活から出るCO2とオフセット(相殺)します。プログラムに参加した私たち個人には「参加証明書」が発行され、オフセットされた排出量は日本政府に無償譲渡することで京都議定書の目標達成に貢献することに。

※カーボンオフセットプロバイダ
調達・販売といった企業間の排出権の取引や、個人・企業向けにカーボンオフセット商品の開発や提案を行う団体のこと。
【世界で初めてのカーボンオフセットは?】
「カーボンオフセット」という言葉が初めて登場したのは、いまから約20年も前のことだって、ご存知でしたか?1989年アメリカの独立系電力会社AESが、石炭火力発電所から排出されるCO2など温室効果ガスのオフセットに企業として取り組んだのが初といわれています。
実際に、商品として私たち消費者に販売されたのは、1997年のイギリスが世界初。まだまだ新しい言葉なんですね。
| 「カーボンオフセット」というキーワード、覚えていただけましたか?それでは、次の章では、そもそもどうしてカーボンオフセットというしくみが注目されてきたかについて、紹介していきたいと思います。 |