特集
2020.07.15 四條由貴

朝スッキリ目覚めるための快眠法とは?!|静岡睡眠メディカルクリニック院長 松下兼弘先生

朝スッキリ目覚めるための快眠法とは?!|静岡睡眠メディカルクリニック院長 松下兼弘先生

「寝苦しくて、夜中に目が覚める」「エアコンが効きすぎて、朝起きると脚がだるい」など、夏は快適に眠ることが難しい季節です。眠りの質が悪いと、一日体調がすぐれないということはありませんか?
そもそも私たちは、なぜ睡眠を必要とするのでしょう。睡眠が体にもたらす様々な効果、質の良い睡眠の重要性について、睡眠の専門医であり、睡眠呼吸障害の治療を行う「静岡睡眠メディカルクリニック」院長 松下兼弘先生に伺いました。
 

質のいい睡眠がもたらす、健康効果とは?

眠っている間に、体では色々なメンテナンスが行われているそうです。その1つは、大脳と身体の休息。特にヒトの脳は、活発に活動し多くのエネルギーを消費しているため、十分な休息を必要とします。身体も、一日の活動で蓄積した疲労を、回復させます。どこかが傷ついている場合、修復作業も行われるため、体調がすぐれない、風邪をひいた時など、たっぷりと睡眠をとる事は、修復、回復を促すことになるのです。
次に、記憶の整理です。覚醒時の体験や感情を、要不要と振るい分け整理してから、記憶として脳に定着させます。「嫌な事も、眠れば忘れる」というのは、科学的にも根拠があるようです。
また、寝た直後には、成長ホルモンが分泌されます。これは、子どもの身体を成長させるだけではありません。大人になっても、分泌されていて肌のターンオーバーを促し、健やかな肌作りを支えます。逆に、十分な睡眠が取れていない場合は、免疫力が低下し風邪をひきやすくなる、ホルモンのバランスが乱れ、肥満の要因や生活習慣病のリスクを高めるなど、健康を害する事につながります。


 

おやすみ前に行う、快眠のための準備


理想の睡眠時間は、平均で7時間ほどと言われています。松下先生は、「個人差もあり、年齢が増すごとに、睡眠時間は短くなる傾向にありますが、健康のためには最低6時間くらいの睡眠は確保したいものです」といいます。6~7時間しっかりと眠るためには、寝る前の準備、寝室の環境が大切です。できるだけ就寝時間と起床時間を定めておくこと。例えば、朝6時に起床したい人であれば、夜11時~12時の間に床に就きましょう。眠る1時間前には、入浴を済ませておくこと。お風呂でしっかりと体を温めておくと、入浴後1時間ほどで体温が下がり、眠気を誘います。そのタイミングで眠ると、深い眠りを得ることができるそうです。注意したいのは、寝る前のスマホ。スマートフォンの画面から発せられるブルーライトが、眠りを促す物質を減少させます。寝具は、寝返りが打ちやすいものが理想です。寝返りは、血液の循環を促し、筋肉の緊張をほぐします。

 

エアコンを上手に使って、朝まで熟睡


暑い時期は、室温も大切です。松下先生が指導する理想の寝室環境は、エアコンを28度・風向きを上向き・風の強さを強に設定し、直接体に冷気を当てない事。例えば四角い部屋で、北側にエアコンが設置されているとします。その時、東側の壁の上方に風が当たるように調整します。その風は、くの字を描きながら、南側の下方へ向います。南の壁側の下には、扇風機を置き、西の上方に向けて固定。中の風量で冷気を流します。涼しい風が部屋をゆっくりと巡り、エアコンから出た冷気が、体に直撃することを防げます。タイマーでエアコンや扇風機をオフにせず、朝までこの状態を保ちます。熱帯夜に冷風を止めてしまうと、たちまち室温は上昇し、快適な眠りの妨げになるからです。一度、温度が安定した環境では、多くの電力を使うこともないので、寝苦しい夜は、目覚めるまで上手にエアコンを利用しましょう。
朝を迎えたら、急に飛び起きることはせず、横になった状態で手足を動かし、耳を揉むなどして頭をスッキリと目覚めさせます。起き上がったら、太陽光を浴びること。体内時計がリセットされ、生体リズムが整います。またその日の夜、質の良い睡眠を得やすくなるそうです。

 

いびきや昼間の眠気が気になる人は


寝る環境を整えても、睡眠の質が改善されない。どれだけ寝ても疲れが取れない。いびきが酷い。そういった人は、睡眠呼吸障害の可能性も。睡眠時無呼吸症候群になると、イライラする、日中のパフォーマンス、集中力が低下する、怠いといった症状が現れます。深刻化すると、脳卒中、心筋梗塞、高血圧、糖尿病、高脂血症などの要因にもなるといわれています。肥満ぎみの人、高齢の男性、閉経期の女性に多いとか。気になる人は検査を受けることで、自身の睡眠の状態を把握できます。中等以上と診断された場合、CPAP(シーパップ)療法で、気道に空気を送り込み、気道の閉塞を防ぎ、無呼吸状態をなくす事ができます。いびきや昼間の眠気が心配になったら、「静岡睡眠メディカルクリニック」をはじめ、専門医に相談してみましょう。

 
http://www.smc-shizuoka.com/
医療法人財団健康睡眠会
静岡睡眠メディカルクリニック
院長 松下兼弘先生

日本睡眠学会認定医。藤田保健衛生大学 病院 講師、日立アプライアンス 清水事業所 健康管理センタ長など経て、2008年11月に静岡睡眠メディカルクリニックを開院。一般呼吸器内科診療および高血圧・糖尿病などの生活習慣病と密接な関わりがある睡眠時無呼吸症候群を始めとした睡眠呼吸障害の検査・治療を行う。

 

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