2. 整備された日本の車検制度
車検制度といってもクルマが世に現れると同時にできたわけではなく、クルマ社会が発展する中で誕生、進化してきたわけです。
ここで日本における車検制度の歴史を追いながら車検が制度化された背景を探ってみましょう。
車検は、タクシーなど業務用車両の安全確保のために1930年(昭和5年)から実施されました。その後、一般にもクルマの所有が拡大し、台数が増えてきたことから戦後の1951年(昭和26年)に車検制度が定められ、車検が義務化されました。更に1955年(昭和30年)には交通事故の増加から被害者を守るために自賠責保険加入が義務づけられます。なお軽自動車の車検は、1973年(昭和48年)に義務化されました。
クルマの保有台数と事故件数の推移グラフ
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● 他の国には車検ってあるの?
日本では、車検制度が法律で決められていますが、他の国はどうなのでしょうか?
車検制度はアメリカの一部の州を除いて大抵どこの国にもあります。でも中身は国によってまちまち。例えば、ドイツ、ベルギー、スイスなどでは整備不良だけでは特に罰則はありませんが、それで事故を起こした場合は、一般事故以上のペナルティーが科せられます。
日本の車検制度は車検がある国の中でも保安基準、自賠責保険等厳しいのが事実。でも日本の自動車密度は、諸外国と比べてもとても高く、クルマによる危険性も高いのです。その危険性を少しでも低くするために日本の車検制度は諸外国以上に整えられています。 |