これだけは押さえておきたい車検特集

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そもそもなんで車検を行うの?
車検て何?車検解体

1章、そもそもなんで車検を行うの?

このような疑問を持っている人は多いはず。一言で言ってしまうと「法律で決められているから」ですが、そもそもなんでそんな法律が作られたのでしょうか?

1.もしも車検制度がなかったら…
車検制度がなかったら、なんてあまり考えたことがありませんが、もしもなかったらどうなってしまうのでしょう?

まず、車検といっても単にクルマの点検だけを意味しているわけではありません。
実は、「車検」には自動車点検・自動車整備・自賠責保険が含まれています。 車検制度がないということは、これらが義務化されていないということになります。

● 自動車点検がなかったら…
整備が必要な部分があってもそれに気づかない、つまりクルマの不具合に気づかないまま走行を続け、気付いた時には取り返しがつかないことに…なんていうことも考えられます。 タイヤがはずれる

● 自動車整備がなかったら…
整備不良によって、渋滞や事故(最悪死亡事故)が多発したり、環境にも悪い影響が。

例えば整備不良により、路上でエンストを起こして交通渋滞になる、高速道路上でクルマが止まってしまい追突される、タイヤの整備不良によりスリップして事故につながる、などなど数え上げればきりがない程の危険が考えられます。
衝突事故

● 自賠責保険加入義務がなかったら…
自賠責保険とは、過失により他人を死傷させたときに損害を補償する保険のこと。
もし事故に遭ったときに相手が自賠責保険に加入していなければ最低限の補償すら受けられません。

いまや、国民の2人に1人がクルマを所有している時代。車検制度がなかったら事故や渋滞は今以上に多くなっていたでしょう。事故が増えれば、その被害者も増えることになり、被害に遭った人が充分な補償を受けられないといった悲惨な事態も確実に多くなっていたとも考えられます。
最近は、クルマの性能が向上し、故障なんて…とお思いの方もいるかもしれません。そうはいってもクルマは機械。使っていれば壊れますし、使っていなくても壊れる可能性があります。
整備不良などによる渋滞、環境破壊、事故を予防するために車検制度があるのです。

2. 整備された日本の車検制度
車検制度といってもクルマが世に現れると同時にできたわけではなく、クルマ社会が発展する中で誕生、進化してきたわけです。
ここで日本における車検制度の歴史を追いながら車検が制度化された背景を探ってみましょう。

車検は、タクシーなど業務用車両の安全確保のために1930年(昭和5年)から実施されました。その後、一般にもクルマの所有が拡大し、台数が増えてきたことから戦後の1951年(昭和26年)に車検制度が定められ、車検が義務化されました。更に1955年(昭和30年)には交通事故の増加から被害者を守るために自賠責保険加入が義務づけられます。なお軽自動車の車検は、1973年(昭和48年)に義務化されました。

クルマの保有台数と事故件数の推移グラフ
クルマの保有台数と事故件数の推移グラフ

● 他の国には車検ってあるの?
日本では、車検制度が法律で決められていますが、他の国はどうなのでしょうか?
車検制度はアメリカの一部の州を除いて大抵どこの国にもあります。でも中身は国によってまちまち。例えば、ドイツ、ベルギー、スイスなどでは整備不良だけでは特に罰則はありませんが、それで事故を起こした場合は、一般事故以上のペナルティーが科せられます。
日本の車検制度は車検がある国の中でも保安基準、自賠責保険等厳しいのが事実。でも日本の自動車密度は、諸外国と比べてもとても高く、クルマによる危険性も高いのです。その危険性を少しでも低くするために日本の車検制度は諸外国以上に整えられています。

車検制度に見る文化・習慣の違い
各国の交通事情によって車検制度に違いがあるのは当然ですが、文化の違いも車検制度にあらわれています。日本人は元々集団社会で生きてきた民族です。「個」を重んじる時代にありながら、まだそれに慣れていません。それとは逆に「個」を重んじる文化である欧米では「自分で自分のものを管理する」というのが当たり前。だから車検はあくまで検査であって、整備は個人の責任で行うという制度が一般的。その代わり、責任は個人に重くのしかかるので大きな事故を起こした場合の損害賠償や、罰則はとても大きなものになってきます。

 

3. 車検が切れたクルマに乗るとどうなるの?
法律で決められていることですから、違反したら当然罰則というものがあります。
では車検が切れたクルマを運転したらどんな罰則があるのでしょうか?

道路運送車両法では「自動車検査証の有効期間の満了後も当該自動車を使用しようとするときは、当該自動車を提示して、国土交通大臣の行なう継続検査を受けなければならない。」と定められています。
つまり、車検が切れたクルマは、そのままでは使用できないということ。 もし、車検が切れたクルマを運転すると道路交通法違反となり、違反点数6点、即免許停止で罰金も取られます。
たかが車検切れと甘くみてはいけません!!

● 車検が切れたクルマにはもう乗れないの?
うっかり車検が切れてしまったクルマで車検を受けるには、当然クルマを車検場に持っていく必要があります。そんな時は、市町村役場で臨時運行許可書を申請して仮ナンバーを借りてくれば、一時的に公道を走ることができます。

仮ナンバーは申請当日を含めて5日以内に返却しなければなりません。費用は各市町村で異なりますが1,000円以下です。なお、仮ナンバーの申請には、自賠責保険証(借りる日から1ヶ月以上有効)、車検証、印鑑、運転免許証が必要です。

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