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「みほしるべ」で三保松原の魅力を味わおう

「みほしるべ」で三保松原の魅力を味わおう
約5kmの海岸に3万本ほどの松が生い茂り、富士山世界文化遺産の構成資産に登録されている三保松原(みほのまつばら)。樹々の緑と富士山が織りなす風景は、日本の心を思い出させてくれる風景です。
 
そんな三保松原で、2019年3月にオープンしたのが、静岡市三保松原文化創造センター「みほしるべ」です。歴史や芸術の観点から三保松原の価値を知ることのできる、三保松原の観光の際にはぜひ訪れたいスポットとなっています。
 
2019年10月末時点ですでに40万人以上が来場しているという「みほしるべ」。当施設を運営する、静岡市観光交流文化局の吉川 征宏さんに三保松原の魅力や施設の歩き方をお聞きしました。
 

日本の心が思い出される三保松原の価値を守っていく

ーー静岡県静岡市清水区の三保半島にある景勝地である三保松原とは、どのような場所なのでしょうか?
 
「海岸には松が生い茂り、樹々の緑と富士山を眺めることができる場所です。景観としての美しさがありつつ、日本らしさを感じさせてくれます。
また、神が宿ると考えられてきた富士山に人々を導いてくれる入口として、古くからさまざまな絵画に描かれてきた特別な場所です」
 
ーー美しい景色ははじめ宗教画として、のちに絵画として日本全国に広まっていきました。
 
「海と松と富士山を見ると美しいと感じるのは、この景色が無意識のうちに私たちの心の中に息づいているためだと言えそうです。その美意識には、あらゆるものに神の存在を感じる日本人の感性がよく現れています」
 
ーーそんな折、今年の3月にオープンしたのが「みほしるべ」ですね。
 
「『みほしるべ』は、『三保を知る』+『道しるべ』という、2つの意味を込めて命名されました。当センターの目的は、三保松原に対する理解を深めてもらった上で、現地を鑑賞してもらうことにあります。景観的な美しさや文化・芸術など、さまざまな意味での三保松原の価値や魅力を伝えています。

三保松原の美しい景観は、手入れをしながら守っているものでもあります。実際に松原は、人の手で保全をしなければ維持することが難しい自然なのです」


ーーあの風光明媚な松林は、当たり前に生息しているものではないということですか?

明治時代のころに外国から入って来たマツノザイセンチュウによって、放っておくと松枯れが起きるようになってしまいました。三保松原では、薬剤を散布したり枯れた松を伐採したり、マツノザイセンチュウの被害が広がらないようにすることで松枯れを防いでいる状態です。

それから、松は、栄養が少ない土を好むのをご存知ですか?土が富栄養化すると松以外の草木がどんどん増えて、松が負けてしまいます。そうならないように、松葉を除去する活動も行われています」
 
ーー日本人を魅了する美しい風景が続いているのは、多くの方が力を合わせて松原を守ってきたお陰なのですね。
 
「現在は、さらに多くの市民団体や地元住民の方々が清掃活動や松原保全活動に参加しています。当センターでは、松原保全活動へのボランティア参加も随時受け付けています」
 
松原保全ボランティアについては、みほしるべイベントカレンダーみほしるべ公式Twitterをご確認ください。
 

三保松原を体感できる展示やイベントが盛りだくさん!


ーー三保松原の美しい景観と日本人の感性、そうした三保松原の文化的・歴史的価値を「みほしるべ」では数々の展示を通じて伝えています。吉川さんに、館内を案内していただきました。
 
1階では、三保松原と富士山のかかわりや羽衣伝説(※)を、映像シアターや展示品でわかりやすく紹介しています。2階には、松の生態や三保の歴史、保全活動の様子などが展示されています。2階にあるテラスから、富士山を眺めることもできますよ。
 
※天女が浜辺に舞い降り、羽衣を掛けたとされる「羽衣の松」(三代目)は、「神の道」の先の浜にあります。
 
ーー三保松原に現れたという天女をイメージしたアロマテラピーが香り、幻想的な雰囲気も味わえる造り。外には足湯スペースもあり、散策で疲れたら足湯に浸かってひと休みすることもできるとのこと(※)。
 
※足湯は、冬季の土・日・祝日限定です。
 
「館内の鑑賞には、30~40分ほど見ていただくと丁度良いかと思います。松原や御穂神社を含めた周辺観光をする場合には、全体で1時間から1時間半ほどかかります」
 
ーー三保松原を堪能したら、ご当地のお土産も買いたくなりますね。
 
「1階にあるミュージアムショップで『ここでしか買えない商品』を揃えています。地元銘菓「アマンド娘」(三保松原編)をはじめ、雑貨や日用品まで。「チャレンジショップ」として、地元クリエイターによる富士山・三保にちなんだお土産ものも販売されています」
 


三保松原公認のロゴが付いた商品の購入代金の一部は、松原の保全活動に充てられるそうです。


 

三保松原の美しさをこの先もずっと



ーー「みほしるべ」では、さまざまなイベントや展示会も企画されています。
 
12月6日・7日には、第3回松原フォーラムが開かれました。これは、全国の海岸林保全に携わる人たちが集まり、情報交換をする機会です。お互いに取り組みや成果を伝えあうなど、情報交換のためのネットワークを形成しています。
 
ほかにも、晩年期には清水区三保にアトリエを構えた日本近代洋画の重鎮である和田英作の展示会など、季節ごとに企画展を実施。
 
こうした企画をすることで、『作品を持っている』『幼いころにこんな話を聞いたことがある』といった情報が集まります。地元で埋もれている価値を掘り起こし、ここで紹介していく役割も当施設にはあると考えています」
 
ーーさいごに、「みほしるべ」のこれからの目標について聞きました。
 
「一番の目標は、とくに地元の人に松原を守っていく意識を持ってもらうことです。ここに来て三保松原の価値を知った人が、『自分にも何かできることがないか』と考えてくれたら嬉しいです。皆さんからのご意見に耳を傾けて、満足してもらえるような施設にしていきたいと思います
 
2020年1月1日から2月24日にかけて、企画展「三保松原でお正月、~一富士二鷹三茄子~」が開かれます。初夢で見ると縁起が良いとされる「富士・鷹・ナス」をモチーフにした皿や引札といった資料を展示します。
 
企画展「三保松原でお正月、~一富士二鷹三茄子~」のご案内はこちら
 
ちなみに、二鷹が指す“タカ”は、鳥のタカを意味するほか、富士山の南に位置する『愛鷹山』だとする説もあるそうです。三茄子のナスは、徳川家康に献上していたと伝えられるこの地域名産の『折戸ナス』のこと。
 
2020年の元日は、「みほしるべ」は朝6:00に開館します。初日の出を見たあとに、立ち寄ってみてはいかがでしょうか?
 

静岡市三保松原文化創造センター「みほしるべ」


所在地:静岡市清水区三保1338-45
閉館日:年中無休
開館時間:9:00~16:30
URL:https://miho-no-matsubara.jp/

駐車場:173台分
アクセス:
【JR】「JR清水駅」より三保方面行バスで約25分
    「三保松原入口」にて下車、徒歩で約15分
【静岡鉄道】「新清水駅」から三保方面行バスで約20分
      「三保松原入口」にて下車、徒歩で約15分
【車】清水ICから約25分、静岡ICから約35分
   日本平久能山スマートICから約25分

三保松原へは、水上バスの旅もおススメです!
詳しくは、「水上バスで世界文化遺産『三保松原』を観光しよう!」をご覧ください。
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