みんなで参加!ストップ温暖化 〜大変!?京都議定書の約束期間がスタートして〜

CONTENTS
京都議定書って?いま、何が問題なの??
とりくみをみてみよう!
家庭でできる、エコ生活


第二章.とりくみをみてみよう!

世界的に対策が急がれる中、CO2を削減するために具体的にどんな取り組みがあるのか、キーワードを追いながら見ていきたいと思います。
CO2排出量をおさえるために
▼街で見かけることも増えた、ハイブリッド車

地球にやさしい車として注目されているハイブリッド車。そもそもなぜ環境にいいかというと、エンジンとモーターを両方積んでいて、補助動力として環境負荷の少ないモーターを併用することで、エネルギー効率を高めているから。
ちなみに、アメリカを中心に販売台数は急拡大しているものの、新車販売台数に占める割合はまだ2%にも満たないのが現状。(株)野村総合研究所によると、「2012年におけるハイブリッド車販売台数は日本で46万台、アメリカで168万台、ヨーロッパで5万台の計219万台まで増加する」と予測されていて、日米欧合計のハイブリッド関連部品市場は7,600億円にものぼるとか。

▼自然エネルギー
自然エネルギーとは、太陽光発電や風力発電など、文字通り自然から作り出したエネルギー。この他、波力発電や水力発電、塩分濃度差発電、地中熱利用など、いろんなものが研究されています。

自然エネルギーを家庭で、というのはなかなかイメージしにくいかもしれませんが、今、家庭用の風力発電システムというものもあります。風車だけで発電できる量はわずかですが、太陽光発電と組み合わせることで、1日に250〜350Wh/日発電し、全体の消費量の5〜10%程まかなうことができるんですよ。(場所や設置条件により異なります。)
▼大注目の新エネルギー バイオ燃料ってどんなもの?
最近新聞やTVでよく見かけるバイオ燃料。これを一言でいうと「生物体(バイオマス)から得られる循環型エネルギー」。“循環型”というのは、基本的に大気中のCO2濃度を上昇させることのないエネルギー。木材などを燃やせばCO2は出るけれど、もともと木は光合成によってCO2を吸収しているので「差し引きで排出量はゼロ」というのが理屈。
▼燃料電池(しくみ)
省エネを訴える器具が続々と商品化されていますが、次世代家庭用エネルギーの切り札が「家庭用燃料電池コージェネレーション」。燃料電池とは、水素と酸素の電気化学反応により電気を作り、発電時の排熱でお湯も沸かせる仕組み。だから限りある資源を効率的に使う、環境にやさしいエネルギーシステムです。
※鈴与商事では燃料電池の実証実験にも取り組んでいます。
世界各国のとりくみは??
さて、世界では、バイオ燃料や自然エネルギーはどのくらい利用されているのでしょうか?世界の取り組みをいくつかピックアップしてみます。
アメリカUSA
03年に麦わらやサトウキビの絞り粕から自動車用の燃料を製造する技術を開発。これを応用して、生ゴミからも燃料が生産でき、将来的にはガソリン消費量の4分の1に相当する燃料をバイオマスで生産するとか。
ドイツ0
バイオマス発電が01年で35万キロワットに達していて、そのうち2/3はゴミ発電で、次に多いのが木屑や廃材を利用したもの。また、ドイツは太陽光発電の先進国。日照時間が少なく日照強度も弱いのに、政府がソーラーエネルギーを重視しているので世界屈指のソーラー技術を持っています。
スウェーデン0
森林資源が豊かでバイオマス利用は盛ん。02年のエネルギー供給のうち、約16%をバイオマスが占めています。そんな中、注目を集めているのは「サリックス草」。高さ5mにもなる柳科の植物で、発熱・発電の原料として多くの農家で栽培されています。
▼日本のバイオマスの開発・利用状況はどうなの?
各国がバイオマスの研究を進めている中、私たちの日本は遅れているんじゃない?と思っている方もいるかもしれません。でも、実は日本でも紙を作る時に出る黒液や製材くず、下水の汚泥などからすでに石油換算で年間約500万トンものエネルギーが作られていて、国内のエネルギー消費の1%弱を占めているんだとか。エネルギー全体から見ればまだまだ小さな割合ですが、今後の普及が期待されます。
【環境マメ知識】こんなものもエネルギーに!開発が進むバイオ燃料 
新聞でもよく紹介されているバイオ燃料。サトウキビやとうもろこしなど食用の原料を使ったものが有名ですが、最近では「こんなものも??」と思うものからバイオ燃料を作る開発が進められています。
稲の葉 菜の花 0
イネの葉 菜の花 コーヒーかす 木くず
例えば、もみ殻や稲わら。食用以外の植物原料を使用したものは分解が難しいとされていましたが、ここにきて研究が急ピッチで進んでいます。この他、生ごみや給食センターからの廃油でディーゼル車用の燃料を作るなど、本来なら「ごみ」とされるものを再利用することで、廃棄物リサイクルとCO2削減の両方が可能。これからどんなものが出てくるか、とても楽しみですね。
▼権利を買う??排出権取引という方法
直接CO2は減らないけど、「CO2排出権」を使って削減目標達成を図る方法も。これは、自分では減らせないから、排出量に余裕がある国や地域からCO2を排出する権利そのものを買う、という考え方。
例えば、“先進国が途上国に技術や資金を提供して、温室効果ガスを削減した場合、その削減量を自国の削減数値に当てるのが「クリーン開発メカニズム(Clean Development Mechanism:CDM)」。
これは、先進国と途上国の間のやりとりですが、先進国同士で技術や資金のやりとりをする「共同実施(Joint Implementation:JI)」や「排出量取引(Emission Trading:ET)」といった3つの方法があります。
市場規模10兆円に!増える温暖化ガス排出権取引
温暖化ガスの排出権取引の市場規模が、08年に10兆円に達する見通しになった、と3/12付の日経新聞に掲載されました。取引規模は前年比56%増の42億トン、現在の市場価格で換算した取引総額は630億ユーロ(約10兆円)にのぼる見込み。ちなみに“42億トン”とは、02年の全世界のCO2排出量241億トンの17%にあたります。
鈴与商事で取り組んでいる環境対策
太陽光鈴与グループでも、CO2削減のためにいろんな取組がされているってご存知でしたか?皆さんにとって、馴染みがあるだろうものの一つが「太陽光発電」。鈴与商事本部ビルの屋上には大きな太陽光発電機が設置されていて、どの位エネルギーが作られているかはビル下の大きなパネルにて随時チェックすることができるんですよ。その他にも、この太陽光と風力を組み合わせた発電機、家庭用燃料電池などいろんな商品が実際に使われています。

「世界全体で5%の温室効果ガス削減」は地球規模での危険な気候変動を避ける為に設定された目標で、まさに世界全体で行わなければならない課題。ですので、一部の国でやれば何とかなるものではないですし、さらに元をたどれば一部の企業だけでなく私たちひとりひとりが真剣に考えて取り組まなければいけない問題、ということですね。次の章では、私たちが実践できる、家庭での環境対策を取り上げます。

 

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