【操縦性・安全性】
タイヤにとって重要なことはまず、なんといっても安全性の確保。日本は雨が多く、また冬季は積雪やアイスバーンなど様々に路面コンディションが変化します。そのため、タイヤを常にベストコンディションに保つことがとても大切です。
例えば、雨の日に安全に走れるのは、タイヤの溝によって排水性が保たれているから。タイヤ溝が少なくなると排水性能が落ち、タイヤと路面の間に水の膜でき、タイヤが路面から浮き上がってきちんと路面をとらえることができない「ハイドロプレーニング現象」が起きやすくなりとても危険。また、積雪地では夏用・冬用と季節に応じてタイヤを使い分けることによって安全なドライブが可能になります。
【乗り心地・静粛性】
タイヤが劣化すると、「ごつごつする」など乗り心地も影響してきます。感覚的な部分でもありますが、例えば長距離ドライブをするときなどは乗り心地が悪いと疲れが倍増。コーナリングもスーッとしなやかに曲がれると気持ちいいですよね。
また、静粛性も快適ドライブには欠かせません。一般的に前席よりも後部座席はノイズが大きいとされていますが、タイヤが劣化してくるとますますノイズも大きくなります。クルマでも皆でわいわいおしゃべりを楽しむためにも、静粛性を確保したいですね。
【燃費もUP】
“燃費のために空気圧をチェックしましょう”といわれるように、タイヤの状態によって左右されるものとして「燃費」があります。省燃費タイヤと呼ばれるタイヤや、適正な空気圧に保つことによる効果はどの位あるのでしょう?
●省燃費タイヤは何が違う?
クルマが走行時に受ける抵抗の1つが「ころがり抵抗」ですが、この抵抗を小さくすることでクルマの燃費を向上させ、ガソリンの節約とCO2排出の削減をしよう、というのが省燃費タイヤとかエコタイヤと呼ばれているタイヤ。一般的なタイヤに比べ変形時のタイヤの抵抗を低減するために、サイドウォール(タイヤの側面)に特殊な加工が施された商品などが出ています。
● 省燃費タイヤを最大限に活かすには?
タイヤの燃費効果を最大限に発揮する走行方法=転がり抵抗を増加させない走行方法とは、実に簡単で「速度を出しすぎない」こと。速度が速くなるほどノイズが大きくなるように(エネルギーがノイズに変換されてロスしている証拠)、速度に比例してロスも大きくなり燃費も悪化します。
【環境面】
タイヤを換えて燃費を向上させることで、排ガスやCO2の排出削減につなげることもできますが、それだけでなく、タイヤ自体の耐久性を高めたりタイヤを再利用したりすることでも環境面での効果が期待されています。“タイヤのトレッドゴムをはり替えて、再び使用できるように機能を復元したタイヤ”がそれで、「更生タイヤ」と呼ばれています。この、安くてしかも環境に優しい更生タイヤは、バスなどで使われています。 |